ここはリーガロノクト大陸の中部にあるモーデン地方の大きな都市『交易産業都市ディアマール』だ。
6つある区の一つの交易区<メリメロボ通り>
に冒険者たちはたどりついた。
メリメロボ通りは冒険者や旅人や地元の職人たちで賑わう活気のある場所。
露店商によるバザーが行われており、ここでは旅に役立つ様々なアイテムが売られている。
武器や防具、アクセサリーや魔術アイテムなど商人たちの自慢の一品たちがずらりと並ぶ。
正午を過ぎるころには続々と冒険者たちが集まってき始めた。
戦士や魔法使い、ヒュムやエルフなど様々な種族が各々自由に歩き回る。
「お客様、とてもお似合いですよ?」
「では、これにしよう」
「有難うございます!2000G(ゴルト)です。」
「ここで、装備されますか?」
などといった会話が飛び交う。
武器防具アクセサリーは装備しないと効果はないからね。
メリメロボ通りの奥にある「猫とまきがい亭」に併設されている<冒険者ギルド>を目指して冒険者たちが集まり始める。
早々と登録を済ませてギルドクエストを受注。ランクDの冒険者が受けられるクエストは4つ。
3~5人のパーティーを組んでクエスト開始だ!
はじめて訪れた町だ。分からないことが多すぎる。
まずは情報収集からはじめてみよう。
広場で絵を描いていた絵描きさんに話しかけて情報を聞くと
「私の仲間に薬とかアイテムに詳しい人がいるよ。ホラッあそこにいる青い人!」
こうやって少しずつアイテムが集まってきた。
残り2つもこの調子で集めよう。
「ズドシュンッ!!ズドッシュンッ!!」
蒸気弾の音が聞こえてくる・・・・。
どうやらガジェット銃の試射をしているようだ。クエスト依頼の「凄腕のハンター」としての評価を得るためにガジェットライセンスを持つものに扱いを教わっているようだ。
その眼光はまさに標的を狙うスナイパーそのもの。
冒険者〜〜は「射撃の心得」のスキルを手に入れた‼︎
露天商の中には明らかに妖しいものたちがちらほら・・。
「からすとうさぎ」を知ってますか?
「フフフッ、ではこれを渡そう・・。ただ、このアイテムはひどく呪われているから10秒以上持つと手が腐っていくから気をつけろよ・・・クククッ」
何とかこのアイテムを浄化しないと・・・・。
色んな情報から彼がどうやら浄化できるとの事。
何やら口から煙を出して布に吹きかけているぞ・・?
なんと、その布でアイテムを拭いたら呪いが浄化されていた!
それはそうと、このアイテムはいったい何だろう?
最後のクエストはどうやらこの男に腕相撲で勝たなければいけないらしい・・・。
うむ・・今いるパーティーで勝てる気がしないので強そうな人に手伝ってもらおう。
先ほどから色々と協力していた彼に頼むのが一番かもしれないな。
話を聞いてみると、どうやらA級ハンターらしく実力には申し分ないので期待したい。
「自信はないが、頼まれたからには全力でやろうじゃないか!鍛冶屋のユーク勝負だ!!」
「ヌオォッッッッ!!!」
全力で立ち向かってもらったが、全く歯が立たない様子。
「って勝てるかぁ!!力だけではどうにもならん!!」
どうやら、彼でも敵わないみたいだ・・・・力ではどうにもならない・・・・
さて、どうすればいいのか。
とりあえずこのクエストは後回しにした方が良さそうだ。
おや?広場が何やら騒がしくなったな。
どうやら彼女は〈空賊〉らしくで自分の乗ってきた飛空艇が壊れたようで困っていたみたいだ。
その素材集めをクエストの依頼にしようとお願いしたら申請がややこしいみたいで諦めたらしく、メリメロボ通りにいる旅人や冒険者に声をかけて協力者を募っているようだ。
3つのアイテムが欲しいのだと。
<小型レシプロ><冷却パイプ><蒸気タービン>
機械に詳しい人が広場にたくさんいることなので話を聞いてみよう。
ガジェット販売をしていた彼女なら詳しいはずだと聞いてみたら
<小型レシプロ>のスペアを持ってるみたい。
どうやら、彼女の望みをかなえたら譲ってくれるとの事らしい。
職場ガジェット職人たちの間でダジャレが流行ってるから「面白いダジャレを教えてください」だと・・・。
困った・・・。
そう、なんでも困ったら町にいる親切そうな人に聞くのが一番。
なになに。とっておきを教えてくれるって??
「コンドルが木に食いコンドル!!!」
「・・・・・・・・・。」
なんとか、素材を集めて渡すことが出来た。
「集めてくれてありがとな!これをあげるよ。」
そういって彼女から手渡されたアイテムはコレ。
冒険者〜〜は
<空賊ヴィルのギルドカード>を手に入れた!!
B級ハンターのギルドカードらしい。
自分たちはまだランクのない駆け出し冒険者だが、このクエストが終わったら自分のギルドカードが手に入るのかな??
さて、さっきの腕相撲クエストの続きだ・・・。
色んな情報をもとに<重力魔法が得意な術士>が居ることが分かった。
しかし、巨躯の男とは知り合いらしく自分だとバレたらまずいんだと。
「も、もしかして手に持ってるのは封魔器(ふうまき)じゃないんですか!!?」
どうやら、先ほど怪しい男から受け取り呪いを浄化したアイテムは〈封魔器(ふうまき)〉と呼ばれる魔法を蓄積して放つことが出来るレアアイテムらしい。
ってことはこのアイテムに魔法を入れていけば・・・バレずに勝てるのでは…?
「いや、やっぱり知り合いを陥れるようなことは・・・・・」
実は彼に会う前に手に入れた情報で
「彼は新しい魔法が喉から手が出るほど欲しい」
らしいことが分かっている。
この世界には<竜の碑文>と呼ばれる呪文が書かれた石碑の呪文を読み解けば魔法が使えるようになるから、メリメロボ通りに隠されていた竜の碑文を書き写し
それを彼に見せた。
「こ、これは新しい呪文だ‼︎この通りにあったんですか?全く気が付きませんでしたよ!…交換条件が成立しましたね。協力しましょう!!」
先ほどの気持ちはどこかへ消えて、すぐさま呪文の詠唱に入る。
「よし、これでオッケーです。腕相撲した瞬間に目をつぶって集中したら発動します!では頑張って!」
封魔器に魔法が入ったぞ。さあ、鍛冶屋のユークに挑戦だ!!
「今日はやたらと腕相撲を挑戦される日だな…。ん?またしても新たな挑戦者が……って、フフ。これはまた〈小さな冒険者さん〉じゃないか」
「どれ、軽く遊んでやるか」
封魔器から放たれた重力魔法が巨躯の腕に重力がのしかかった。
「ぐわ~~~!!!なんてパワーーーだ!!」
少しふざけたクエストの依頼だったが、彼の悔しい顔とともに記念写真を撮る。
これでクエストクリアだ!早速ギルドへ向かおう。
「クエストクリアおめでとうございます!」
「これでD級ハンターとして登録されます。ギルドカードの申請についてはまたギルドの方から説明に参りますのでお待ちくださいませ~」
ふ~~~何とかクリアできたな。みんな、ありがとう!
おや、広場でなにか始まったぞ!!?
「さあさあ、皆さまお耳をコチラにお願いします!ウミネコ楽団による楽しい演奏が始まるよ!」
心躍る演奏にカラダがついつい反応してしまう。なんて素敵な演奏なんだ。
<コルネトのタネ>
アイテムシスターが集めるヒューズストーンのレアストーンの交換品としてもらえるアイテムだったみたい。
そういえば色々落ちてたな・・・・忘れてたよ。
さて、クエストも終わったのでまたゆっくり買い物でもしようかな。
そして、メリメロボ通りのいつもの日常が過ぎ夕暮れを迎えてゆくのであった・・・・・。
<写真>
公式カメラマン 神威
写真提供 テンクロさん やんさん