死者も続出するため、、訓練された人物である「登峰人」が山へと日々挑んでいる。
用語集
『物語』
むかしむかし、竜の声に導かれ、
遠き異国よりこの地へ辿り着いた者たちがいた。
湖に浮かぶ島を見出し、様々な種族が共に暮らしを紡いだという。
この国「珠津国(たまつくに)」には、未踏へ挑む者たちが後を絶たない。
霊峰「竜爪山(りゅうそうさん)」―
その人類未踏の険しき山には数々の秘宝や貴重な資源が眠ると言われる。
天にそびえ立つその姿は畏敬と挑戦の象徴であった。
己のすべてを懸けて竜爪山に挑む者―
「登峰人(とほうにん)」と呼ばれる勇士たち。
その姿こそ、珠津国の新たなる物語の幕開けである。
概要
竜爪山に関係する用語
竜爪山(りゅうそうさん)
- 珠津国を囲う大きな山峰。大陸からでは頂上が見えないほどの高さ。
- 竜爪山には、島では採れない、貴重な「塩(岩塩)」や山菜、鉱石などが取れる為、高値で取引されている。
- 山に住む動物たちは特殊な磁場を浴びているせいか、通常の動物とは異なる姿をしており山を登らんとする者を襲う狂暴な怪物となっている。人々からは「山妖怪」として恐れられる。そういった状況から遭難者や
- 山頂への挑戦は年々進展しており、いくつかの登山道が形成されている。そのため、登山口となる場所には登峰人や用心棒たちに向けた「支度村」が作られている。
- 5月から12月の間まで入山が可能。
登峰人(とほうにん)
- 歴史上、未踏峰である「竜爪山(りゅうそうさん)」に目的をもって登ろうとするもの。
- 山の頂きを目指す者、山の資源を安全に採取して持ち帰る者がいる。
- 命の危険があるので、登峰人になるものは、竜爪山への知識や戦闘術、医術など山で生きてゆくための能力が必要となる。そのため、登峰人は必要な技術が備わった「用心棒」を雇っている。
- 登峰人と用心棒を含めて三人一組が山を登るうえで最適な人数とされる。
- 「登峰人番付」というものがあり、竜爪山の開拓や妖怪の討伐などで順位が上がったりする。各支度村や人伝えで変わるくらい曖昧ではあるものの、番付上位のものたちのは藩主の「お抱え人」として雇われたりしている。
- 山では、自分たちの存在を遠くからでもわかるよう、色鮮やかな衣服を着ている。
血気帯(けっきおび)
- 登峰人は、身の安全の為の「願掛け」として自身の血を染み込ませた赤い布を身に付けて山に登る。帯や鉢巻、襷など人それぞれ。
支度村
- 竜爪山の登山口にある登峰人たち相手につくられた村。冬場を除いた時期以外は沢山の登峰人たちが訪れる。
- 民たちが沢山住んでいるが、大きな田畑がないため、食料などの資源は藩から送られるものや、山から下りてきた者たちから買ったりなどしている。
- 宿場、食処、よろずや、稽古場などがある。
- 現在は6つの支度村があり、そのうちの5つは各藩が管理をしているが支度村の中でもっとも古くからある「飛竜の里」は各藩に所属しておらず、自治を保っている。
- 5月になると、「入山祭」という登峰人たちの安全祈願のための祭りが開催される。
飛竜の里
- 6つある支度村の一つで、もっとも古い歴史をもつ.
- 歴代、藤原一族が村を守っている。ほかの支度村との大きな違いは「武芸に長けた村であること」と「その年の入山の順番を決めることができる祭事を行っていること」の2つ。
種族(しゅぞく)
珠津国に住んでいる人々。身体的な特徴があり各種族によって「耳の形と頭髪の色」で大きな違いがある。ハーフは存在しない。
只人(ただびと)
- 珠津国で最も多き種族。
- 他の種族に比べると耳の形や見た目に特徴はあまりない。
- 髪の毛の色は黒、白、茶色、金。
森人(もりびと)
- 耳が尖っている種族。
- 髪の毛の色は金髪か茶髪。
岩人(いわびと)
- 耳が大きくて丸い種族。
- 髪の毛の色は黒、白、茶色、金。
獣人(けもびと)
- 獣の耳と尻尾を持つ種族。
- 髪の毛の色は黒、白、金、茶。
- 獣の耳ではなく、鳥類の羽が耳の後ろから生えている獣人も少数いる。
- 耳と尻尾以外の動物の特徴は身体に備わっていない。
角人(つのびと)
- 小さな角が生えている種族。角の大きさは2cm〜10 cm程度。
- 耳の形は森人と同じく、少しとがった長い耳を持つ。
- 角の数は1本か2本のどちらか。
- 髪の毛は黒、白、茶色。
藩(はん)
- 各種族ごとに分かれて住んでおり、その領地のことを指す。
- 藩には藩主という領地を代表する者がいる。
御魂藩(みたまはん)
- 珠津国の中央に位置し、神聖なる場所『竜宮城』が存在する藩。現在の藩主は角人の霊玄院 澄心(れいげんいんちょうしん)が務める。
竜信仰の中心地であり、戦乱の世にあっても各藩の仲介役を任されるなど、古くから珠津国をまとめあげる立場にあった。塩をはじめとした資源を巡る争いに疲れ果てた珠津国に融和をもたらす手段を探すため、竜爪山の調査を主導。 - 竜爪山で発見された貴重な資源を通じて融和の道を探り、天創658年に各藩と『塩結(えんけつ)の盟』を結ぶことに成功し、戦乱の世に終止符を打つ。
- 現在では、竜爪山の更なる調査を進めるため、登峰人に関する制度化を行ったり、山のふもとに拠点となる村を整備したりするなど精力的に登峰人の支援を行っている。
- 家紋は魚と陰陽が描かれている。
塩結(えんけつ)の盟
- 天創658年に、御魂藩の調査により、竜爪山に岩塩が豊富に眠っていることを突き止める。
珠津国で起こる戦乱の最も根本的な原因である塩問題の解決に結びつく発見を受け、御魂藩は珠津国全ての藩に竜爪山の調査を通じた融和、すなわち『塩結(えんけつ)の盟』を提案。各藩がこれを受け入れたことで、長い戦乱の時代が終わる。
赤耕藩(あこうはん)
- 珠津国の北に位置し、農業に適した肥沃な平原が広がる藩。現在の藩主は只人の義真道 孫市(ぎしんどうまごいち)が務める。
- 広大な農地による大規模農業により発展し、珠津国の食糧庫と呼ばれる。その一方で、肥沃な地を巡って風視藩や土沙藩からたびたび侵略を受けた歴史を持ち、戦いの中で忠義や義理を重んじる赤耕藩士が生まれた。天創470年に、当時の赤耕藩主の名誉を守るために一部の赤耕藩士が引き起こした『赤耕事件』は現在でも珠津国で語り継がれている。
- 現在では、珠津国の食糧庫としての役割を存分に発揮している一方で、練度の高い赤耕藩士の元には登峰人を目指す若者が集まり、竜爪山の調査に必要な技術の修練所としての側面も見せている。
- 家紋は稲と不死鳥が描かれる。
水都藩(みとはん)
- 珠津国の南に位置し、豊かな自然に満ちた藩。現在の藩主は森人の比叡嶺 光臣(ひえいれいみつおみ)が務める。
- 農業が盛んであると同時に、山の幸の採取や野生動物の狩猟も広く行われており、豊富な食材から生まれた『水都料理』は非常に評判が高い。また、天創200年頃から竜信仰と豊かな自然の調和を重視する学問が振興され、珠津国における学術体系に大きな貢献を果たしている。
- 赤耕藩と同様、資源を狙った侵略を何度も受けたほか、藩主の跡継ぎ問題を巡る内乱も発生するなど、藩内が大きく荒れた歴史をもつ。
- 現在では珠津国における学問や食文化の中心として各藩から多くの人が集まる地となっている。
また、登峰人向け保存食の開発も行われており、日々、登峰人の意見を取り入れた改良に取り組んでいる。 - 家紋は水と植物の蔓が描かれる。
風視藩(かざみはん)
- 珠津国の西に位置し、強い風が吹く地形が特徴的な藩。現在の藩主は獣人の風渡瀬 空雅(かぜわたせくうが)が務める。
- 風視藩の民はこの地域に吹く強風を『竜の息吹』と呼んで神聖視しており、厳しい環境でもたくましく生きる独自の文化的発展を遂げている。
- 現在では不足する資源を各藩との取引で入手できるようになったうえ、独自の文化に興味をもった者が沢山訪れるようになり藩内は大きく発展。また、厳しい環境の中で磨かれた技術から生み出される装備品は「軽くて丈夫で扱いやすい」と評判が高く、登峰人にも大人気である。
- 家紋は珠に爪と玉に纏う風が描かれる。
土沙藩(とさはん)
- 珠津国の東に位置し、豊かな鉱物資源を持つ山岳地帯を有する藩。現在の藩主は岩人の竜厳寺 重信(りゅうげんじ しげのぶ)が務める。
- 高い技術力から生み出される鍛冶製品により非常に高い国力を有している。かつては珠津国最大の岩塩坑も存在していた。(現在は枯渇。)一方で平地が少なく農業基盤が貧弱なうえ、廃水・大気汚染が近隣の藩との外交問題にも発展。豊かな農地を求めて赤耕藩に幾度となく侵略戦争を仕掛けていた。
- 豊富な鉱石資源から生み出される通常の武器はもちろん、赤耕藩からもたらされた只人の技術を取り入れてからくりを作成する発明家もおり、多くの登峰人にとって土沙藩製の武器は最も信頼できる旅の相棒となっている。
- 家紋には太陽と歯車が描かれる。